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離職防止に有効な人事のデータ分析


目次[非表示]

  1. 1.人事分析の重要性
  2. 2.人事データ分析ツールの現状
  3. 3.人事分析の流れと課題点
  4. 4.拡張分析による人事データの分析
  5. 5.まとめ


我々が毎日思い掛けないところで出会いがあって、思い掛けない人の影響によって考え方が変わることがあります。よって、当然、離職のような心移りは簡単にデータで予測や分析することができません。

しかし、日本の企業は離職は仕方がない、新しいステージを登っていくことを祈ってあげるべきなど、現実から目をそらして、データによる離職分析の必要性を低く見ているのではないかと思います。


人事分析の重要性

企業調査では、人員不足のアンケートで“雇用人員の過不足”と回答したのは66.5%、そのうち「従業員の自発的な離職の増加」が45.3%も占めています。一番驚くべきなのは、“人材不足が職場の環境へ影響がある”と答えているうち、75.9%が「離職者の増加」に影響があると答えていることです。

(参考:『「人手不足等をめぐる現状と働き方等に関する調査(企業調査・労働者調査)」結果』 (2019年9月18日))


すなわち、離職の増加が企業の人員不足の大きい原因のひとつ、さらに、離職者を増やす原因ともなっていることがわかります。


また、離職者の増加は実際どれくらい企業のコストへの影響があるかに関して、大体、一人当たりは年収の半分以上ともいわれています。たとえば800万円の年収の方が一人辞めると少なくとも400万以上の損失になります。金額以外でも思い当たるコストの損失も多いにあるでしょう。


優秀な社員が一人の退職による膨大な損失分、残ったメンバーがどのくらいの労働力をかけて、どのくらいの商品を販売し、どのくらい細かいコスト削減をすれば挽回できるか、もっと真剣に考える必要があります。


紙印刷代の節約、コミュニケーションコストを削減することを考える前に、実は人材を失う前に止める対策は何倍も効率的なコスト削減になります。


人事データ分析ツールの現状

人事データの分析が近年注目されるようになったことは、日々テレビやタクシーの広告など、よく耳にするような人事分析ツールが出回ることからでも、需要がそれなりに増えていることがわかるかと思います。軽く検索すると驚くほど多種多様なツールが出てきます。


ただし、良くみると下記のような2種類に留まっているツールがまだ多いことがわかります。


  1. 人事の事務業務の簡略化
  2. 現状把握のためのグラフなどによる可視化


人事の業務を減らし、データ化できることで社内における現状の可視化ができることも非常に重要ですので、このような人事ツールの導入はたくさんメリットがあると思います。しかし、肝心の”なにが本当の原因で退職者が増えていくの?”といったような分析が出来ないことです。


人事分析の流れと課題点

人事データ分析に限らず、基本的にデータ分析の流れは下記のようになっています。



一度だけしっかりと分析すれば終わるのではなく、これをサイクルとして続けていくことが大事です。また、データ分析の前の課題設定から、最終結果をすべてそのまま受け入れるのではなく、しっかりと考えたうえ、議論と検討を重ねて対策など実施すべきです。


人事データの分析を実現するために、人事職が今の業務を続行の上でこの分析作業をする時間の余裕、データを収集・加工し、さらに分析や解読するスキルも人事職の皆さんが備えないとできないことになります。また、今の分析の流れでは、多くの人事分析ツールもできないことは理解いただけるかと思います。


ツールはあくまでも「道具」に過ぎないですので、データ分析に関して、AIや機械学習のツールを導入しても下記二つの条件が揃っていないと、大体の人事データの分析はEXCELのほうが実用性が高いです。


  • 利用するシーン、解決したい問題がある → ターゲット
  • 活用できるスキルがある → データハンドリングと統計の知識

具体的に解決したい課題がなければ、ツールはただ安心感のためのものになります。


拡張分析による人事データの分析

実は機械学習のアルゴリズムを導入された「拡張分析」は人事データ分析の分野でも多く活用されています。特に離職分析において大変わかりやすい結果で評価されております。

サンプルデータを使った簡単な”離職分析”一例をご紹介いたします。


課題:離職者が増える原因を探るために、離職に影響する要因を見つけたい

仮説:高学歴、評価が低い、残業が多いと離職されやすい

データ:

・入社の際の学歴を含めた履歴書の情報
・入社後の勤怠、残業状況
・人事評価の結果


※上記サンプルデータのようなイメージでデータ(エクセル等)を用意する。


2、3ステップの簡単な操作で瞬時に下記のような結果とビジュアルを出すことができます。



上記機械学習によるサンプルデータの分析結果からでは、こちらの企業は”残業が高い”、”エンゲージメントが低い”、”コミュニケーションスコアが高い”といったような特徴を持っている方が一番離職されやすいことがわかります。


最初の仮説の”残業”は裏付けされましたが、”エンゲージメント”と”コミュニケーション”に関しては新しい気づきとなりました。この結論から、特別なケアを検討のうえで、該当の対象者や部門への対策を考えていくことがもっとも効率かつ効果的でしょう。部門別で傾向が異なることも多いので、部門別のデータに絞った分析も可能です。


実は離職分析だけではなく、ハイパフォーマー分析、昇進のための候補者選出のための分析、組織分析のためのアンケートデータもあれば、部門別の組織特徴の分析も可能です。


人事データの分析においての課題となる、作業時間確保とスキルに関してはツール導入だけでは解決が難しいので、導入初期ではデータ分析の経験が豊富なコンサルトとアナリストがサポートいたします。2か月ほどで人事担当の皆様でもできるようになります。


まとめ

 人事データの分析は大変価値のある分析です。これからより一層、機械学習やAIを組み込んだツールが普及していくことでしょう。ただ、ツールはあくまでも道具ですので、使わないと価値が発揮できないし、使うのにそれなりのスキルを身に着ける必要があります。


データ分析ツールも価値を最大化ができる需要が増えていくと思います。弊社のBrainPad VizTactのような拡張分析ツールは”人事データの分析”という一つの分析テーマのツールではないため、導入された場合社内の多くの分野のデータ分析に活用できるので、ツール導入のハードルも下がります。今後拡張分析や拡張分析ツールは人事職のデータ分析の力になると思います。