HRDグループ・プロファイルズ株式会社様 BrainPad VizTact導入事例

HRDグループ・プロファイルズ(株)
ディレクター パフォーマンスコンサルタント
水谷 壽芳様

  • VizTact
  • ブレインパッド

経営の意思決定に確かな示唆を。組織の未来を創る人材データ活用。

HRDグループ・プロファイルズ株式会社様

【業種】HR Techソリューション販売業

【事業内容】人材アセスメントソリューション提供


事例のポイント

導入時のお悩み

■人材データを意思決定に寄与させるためのツールが必要だった

  • 人材アセスメントを通じて得られる人材データを保有
  •  顧客企業の意思決定に役立つ情報の可視化・分析意思ができていない
  • 分析結果を具体的なアクションに繋げたい

活用方法

■人材アセスメントデータをVizTactで分析し、経営アジェンダ実現に貢献

  • デジタル変革の推進
  • ポストM&Aにおける適材配置への示唆
  • マネジメント強化による組織活性化

VizTact選定理由

  • UIやデザインの秀逸さ、セキュリティ、レポート共有のしやすさ
  • 可視化だけでなく分析が可能
  • データの専門家が伴走してブレインストーミングしてくれる点

導入効果

人材データを活用した、顧客企業の経営アジェンダ実現への貢献

  • データ分析及び資料作成にかかる時間が、数時間から数十分に短縮。
  • 顧客企業との議論において、思考を止めることなく会話が進められる

―プロファイルズ様のビジネスを教えてください。

水谷様:経営の未来となる組織とヒトの成長に、人材データの活用を通じて貢献しています。人の資質や特性をデータで表現するための人事領域のセンサー機能を果たす、人材アセスメントやサーベイなどを企業経営者や人事の責任者の方、組織・人事分野のコンサルティングをサービスとして展開されている事業者に提供させていただいております。
代表的なツールとして、人の特性を測定する戦略的人材アセスメントの「ProfileXT」や、リーダーやマネジャーのリーダーシップ行動を観察するためのサーベイ「CheckPoint360°」などがあり、
いずれもグローバルで活用実績のあるアセスメントツールを国内向けに翻訳・ローカライズをして、ビジネスの現場で最適にご活用いただけるように支援をしています。これらのプロダクト認定セミナーにはこれまで600名以上の方のご参加をいただいています。

例えば、ProfileXT(以下、PXT)は、314問の選択式の設問によって「思考スタイル」「行動特性」「仕事への興味」という3つの領域で、人の資質や特性を描き出します。また、この職種にはこのような人物特性が必要というパフォーマンスモデルを同時に設計します。個人のアセスメント結果とパフォーマンモデルをマッチングさせることで、ジョブマッチのパーセント(以下、ジョブマッチ%)を算出することが可能です。この結果を採用や配置、登用や育成などの人材マネジメントサイクルの中で活用し、戦略的な人事の実現を支えます。PXTは1990年初頭くらいから世界中で使われ始めていて、125カ国33言語で展開されています。2011年に弊社が日本語版を開発し、国内販売を始めたのですが、実は日本語は33番目で最も後発でした。

企業のデータ活用は、製造、営業、販売やマーケティングといったさまざまな分野で取り組みが進んでいます。一方で、組織・人事の分野ではほとんどデータ活用がされていない。一部、採用などで事例が出てきてはいるものの、経営者が人事データを使って意思決定しているかというと、まだまだ活用しきれていないと思います。

―組織・人材業界および、VizTact導入前の御社の課題について教えてください。

水谷様:2011年当時は、企業人事の方に「これからは、人の特性を見える化して、ジョブマッチ%などで経営の意思決定に役立てることができるようになります」と言っても、全然相手にされませんでした。なぜなら、新卒一括採用で定年まで勤め上げる。経営者や人事がその人を見極めて、登用や部署を決める。あるいは、さまざまな部署を一定期間経験させて、その人物を見極めることが日本的であり、その当時の一般的な人材マネジメントだったからです。

しかし生産労働人口の減少や産業構造の変化に伴い、これまでの新卒一括採用、年功序列賃金、終身雇用を前提とした人事システムに弊害が生じています。これまでの自社内の仕組みでは、外部環境の変化のスピードに対応できないという認識のもと、人材データで“ヒトを活かす経営”に貢献するというジョブマッチの考え方に共感をいただけるケースが増えてきました。
「人材を活かしきり、会社の戦略を実現したい」、「M&Aや経営統合を果たしたばかりで、中核にあるべき人材が見えてこない」、「新事業を立ち上げ、子会社設立なども視野に入っているが、適任が分からない」、「新たなデジタル時代に活躍する人材をどう見極めて、育てればよいのだろうか」などは経営者にとって重要なアジェンダです。これらをPXTなどで取得した人材データを活用しながら、これからの人材戦略の方向について、議論しています。

弊社はアセスメントという、人の資質や特性をデータで表現するための人事領域のセンサーを持っています。ただ、経営者や人事の方が知りたいのは、アセスメントデータではなく、経営人事の判断に役立つ示唆です。そのためには、溜めたデータを分析し、生まれた示唆が分かりやすいように表現できる可視化が必要です。

最初は、タレントマネージメントシステムやBIツールなどとPXTの組合せがそれらに該当するツールではないかと思ったのですが、システム機能やサービス提供の体制など、なかなかしっくりときませんでした。そんな時に、「BrainPad VizTact(以下、VizTact)」を紹介いただきました。デモをしてもらうと、僕らが「こういうのを求めていた」という機能や人材データによる示唆がどんどん出てくる。それで、2021年の始めころからVizTactを活用し始めています。

―VizTactをどのような場面で活用されていますか?

水谷様:VizTactを活用した事例を、3つほどご紹介します。
【事例①:ロールモデル探索によるデジタル変革の推進】
水谷様:DX推進のご相談は近年増えてきています。例えば、金融業の長くお付き合いのあるお客様でPXTのデータも溜まっておリ、いろいろなご支援をしています。数年前に「デジタル分野の成長に貢献している社内ロールモデルAさんという方がいるので、彼と同じ特性の人材を社内から見つけたい」というご要望を頂戴していました。しかし、複数ツールの組み合わせから生まれる数百項目のデータから分析し、人材を特定しきることは難易度が高く、答えが出せずに長年の課題となっていました。
そこで、VizTactの“スマートサーチ”機能をご紹介いただき、使ってみました。この機能を活用すると、特定の人のコンピテンシーと候補者層がどの程度類似しているのかを、時間をかけることなく、一発で確認することが出来ます。その結果、これまで中々うまく進めることが難しかったロールモデル人材探索が実現出来ています。分析を進めると残念ながらAさんと100%一致する方はいませんでしたが、類似度が80%の方が2名程存在することがわかりました。2名程ではタレントプールとしては充分とはいえないので、次善としてこのお二方とAさんの傾向を合わせた比較において、最も近い特性を見つけ出し、その特性に適した方を複数名見つけることができました。このようにデータを分析することで、数年越しの顧客からの宿題が解決に至っています。この分析で特定された人材プールを元にデジタル変革の次のステージをご検討いただいています。
【事例②:ポストM&Aにおける適材配置への示唆】
水谷様:M&Aによる企業の統合が進んでいるお客様です。ホールディングスの傘下にいくつかの企業が統合されていく中で、ホールディングス・親会社は特性を理解しきれないままに幹部としてアサインしたり、あるいは部署の異動を命じなければいけない状況でした。「30分程度の社内面接のみで、意思決定する方法で良いのだろうか」と課題を持たれており、弊社へご相談いただいていました。

例えば、部署異動の場合に、ある方に向いていない部署に異動をさせると、その方はご自身の特性を十分に活かせない状況が増えます。その結果、パフォーマンスが上がらないので会社にとっても、個人にとっても好ましい状況ではありません。このお客様の場合も、異動に適正がある人を探したいということでした。彼らはこの業界における百戦錬磨であり、「この人はこの部署に向いていそうだ」という目利きはある程度有していらっしゃいますが、自分たちの感覚が客観的なデータから導き出される示唆とどの程度一致しているのか見極めたいと考えていました。

このお客様には既に、ジョブマッチのPXTと360度サーベイのCheckPoint360°の両方を導入いただいており、1,000人程のデータが溜まっていました。そこで、これらデータ活用の分析切り口の一つにVizTactを介した分析結果を提示しました。

異動の候補となる方々のジョブマッチ%をプロットします。異動先候補部署のジョブマッチと現在所属部署のジョブマッチをそれぞれ縦軸と横軸に表現することで、異動先部署のジョブマッチが高く、現在所属部署のジョブマッチが低い人を簡単に表現できます。
   
  
それぞれのプロットされたデータをクリックすると誰なのか(上図例の“A051”が社員番号 )、詳しいスコアもわかるので、人事の方が、もし知っている人なら「ああ、彼ね~」ということでこれまでの人事議論とは異なる質の会話が展開されます。

このように何人か異動候補が挙がったところで、例えば、「異動させるなら若いうちがいいよね」という話になったとしましょう。その時には、横軸を入社年に切り替えます。この時点で、「A部門にマッチが高くて若い、この方の異動を具体的に考えてみよう」と意思決定の方向性が生まれることがあります。

これまではExcelやパワーポイントを活用し、これらの分析結果をお客様にご説明していましたが、このように会話しながら「軸」と「条件」を変更し、会話の内容をその場でグラフを操作して対応することはこれまでは出来ませんでした。VizTact を活用する事で、議論の方向性に応じた適切な情報をスピーディーに提示でき、議論を深めることに成功しています。

もうひとつ、VizTactを活用することでとても助かった事があります。VizTactは、分析結果をHTMLファイルとして出力できます。それをお客様にメールで転送すればよいので、情報共有が極めて簡単です。他のBIツールでは情報を読むためのライセンスが別途必要だったりしますが、HTMLファイルならライセンスなくてもブラウザで開くことができます。
議論して出来上がった分析データを、「後ほど送っておきますね」とすぐさま顧客サイドに共有できるので、顧客の具体的なアクションに繋がることができます。データを具体的なアクションに繋げることは変革を進める上で、重要です。このHTMLファイル転送は変革を支える重要な機能だと思います。

【事例③:マネジメント強化による組織活性化】

水谷様:このお客様には事業部全体に対する人材育成支援をさせてもらっております。その事業部では「人材の価値を最大化させよう」という方向性を掲げていらっしゃり、様々な施策を展開されています。 それらの取組の一つにマネジメント強化のための360度サーベイであるCheckPoint360°(以下、CP360)の活用があります。この取組みを継続し、3年分のサーベイデータが蓄積されていました。CP360のスコア分布を見ると、全体的にパフォーマンスが上がっており、サーベイ結果が全体に向上することは好ましいことではある一方で、スコア全体が中央化して個々の違いが出にくくなっていました。これはどう考えたらいいだろうとご相談を受けた際に、VizTactを活用し”要因分析”を行いました。


  
分析の結果、CP360スコアに1番影響を与えている組み合わせは、「コミュニケーション」「部下育成」ということが分かりました。2番目に影響を与えているのは、「能力を活かして仕事をする」「個人の強みを育成する」の組み合わせでした。この2つの組み合わせが、平均よりもCPスコアが高い場合の顕著な例だという事を報告したところ、先方は納得感をもって受け入れてくれました。その背景にはこの事業部の掲げている「人材の価値の最大化」という事業方向性とのフィットがあるというもので、これらの項目を軸に更なる人材育成を進めていこう、という方向性に至っています。

具体的には「情報を処理する」、「効果的に動機付ける」、「能力を活かして仕事をする」、そして「個人の強みを育成する」といった重要項目を加点方式の重要スキルに加えて、育成施策を強化し、展開してもらっています。

継続的に360度サーベイを実施すると“マンネリ化”が進むことがありますが、この事業部においてはそうではありません。事業部トップが自ら“上司が同僚や部下からの率直なフィードバックを受け取ることは健全な組織づくりを支えます”というメッセージや、“正直にフィードバックに加わることで仕事や上司との関係が悪くなることはありません” ということも合わせて伝えています。サーベイ結果でも、一部の部下から上司に対するフィードバックとして、「職場でやる気にさせてもらえる」といった声が聞かれるようになっており、組織の活性化に繋がっています。

―VizTactによって、ビジネス上の成果はありますか?

水谷様:はい、これまで顧客に提供してきた以上の更に深い示唆をスピーディーに提供できるようになったと思います。

人材データを使って経営者の意思決定に示唆を与えるという世界を目指そうと思った時、見えてくる世界が変わりました。顧客やビジネスパートナーの方々から寄せられるご要望の解像度が高まり、おっしゃっていることの本当の背景が理解できたように思います。その視点でソリューション構築や解決アプローチを提示するとご一緒させていただいている経営者の反響が好転したので、やっぱり!この方向性でよかったのだ、と思える様になってきました。人材データを見ながら、これからの事業の方向性を一緒に考えていくと、事業トップ自らが、「この議論は(人事ではなく)事業トップ自らのアジェンダだ」ということをおっしゃってくださいました。また、ある企業からは「ちょうど、経営と人事のこれからを考えており、これらの人事データが重要な意味を持つね。」というコメントもありました。VizTactの活用は人材データと向き合った時の、顧客内の問いの質を高めてくれるものだと思います。

多くの企業経営者は人材データが経営の意思決定に活かせることを知りません。マーケティングや研究・開発など、事業バリューチェーンでは新しい技術が活用されている一方で、人事領域は必ずしもそうではありません。経営の未来を創る人材データ活用の考え方と人材アセスメントなどのHRテクノロジーの具体的な活用を多くの経営者が知ることで、更に大きな成果に結びつく、と私は信じています。

―あらためて、VizTactの選定理由や、ブレインパッドへの評価をお聞かせください。

水谷様:まず、システムそのものがよくできています。UIやデザインが使いやすく分かりやすい。人事データという個人情報なのでセキュリティが重要ですが、難読化という機能でクラウドに上げるデータが暗号化される点もお客様に評価いただけています。事例でもお伝えしましたが、できあがった結果をお客様に共有することも容易です。なにより、ただの可視化ではなく、分析から経営人事の意思決定のための客観的な示唆出しができるところに大変満足しています。これらがプロダクト面の話ですが、もうひとつ、ブレインパッドというデータの専門家に伴走者として支援してもらえるのも大きいです。
しっかりサポートしていただけるので、パートナーやお客様にも安心してご紹介できます。当社のPXTやCP360のデータは、構造化されていてすごく取り扱いやすいデータのようです。これまでは経営層や人事の方とばかりお付き合いしていたので気づく機会がなかったのですが、実はすごく価値があるということを、ブレインパッドさんと仕事をして初めて気が付くことができました。だから、示唆が出しやすく、投資対効果が高いですよと自信を持ってお勧めできるようにもなりました。

VizTactによって、顧客企業のご要望に応えるための引き出しが増えたので、人事データ分析のリテラシーやVizTactの機能や使い勝手をもっと深めて、更に深い顧客のニーズに応えることが出来るようになりたいです。また、ブレインパッドさんのようなビジネスパートナーの皆様のソリューションと人材アセスメントとの組み合わせ提案も検討を進めたいと思っています。パートナーの皆様のソリューションの強みと当社アセスメントラインナップの強みを掛け合わせることで、顧客ニーズに応えていくことが大切だと捉えております。

今回のケースも長年ずっと応えられなかったお客様の人材ニーズに対して、データ × VizTactで、リーチできたと思います。顧客企業との新しい変革ストーリーが始まっています。

―今後の展望について教えてください。

水谷様:産業界全体の発展に貢献したいと常々思っていますが、組織と人の成長はこの発展において、重要だと考えています。適切なポジションに適切な人材を配置・育成し、ジョブマッチする人材を科学的なアプローチで増やしていきたいです。

先ほども申し上げましたが、多くの経営者の方々はアセスメントデータから得られた人材データが経営の意思決定に役立つことを認識していません。現在のような歴史の転換点においては、不確実な経営環境を乗り切るための中長期的な事業戦略と、変化に順応しながら戦略を遂行するための組織と人材の力を企業は問い直されています。そこで、経営リーダーが、経営と人事の新常識を知り、これからの組織と人材の戦略・戦術立案を支援するための一連のカンファレンスを企画しています。

このカンファレンス(HRD Next 2021-2022)では、国内・海外のトップクラスの有識者をお招きして、企業経営のこれからの指針を明らかにしていく予定ですので、宜しければご参加ください。ブレインパッドさんにもコミュニティーパートナーとして参画いただいています。

<HRD Next 2021-2022の詳細はこちら>

https://www.hrd-inc.co.jp/hrd-next/2022/#

最後に、ProfileXTは世界各国展開され、日本語は33番目と最も後発でした。なので、僕たちは諸外国の先人や先輩コンサルタント方々からいろいろと勉強させてもらってきました。特にアセスメント開発元であるWiley社メンバーからは多く支援をもらい、彼らからの知見共有がなければ、現在の僕たちは存在していません。このことに対しての、深い感謝の気持ちがあります。次の10年においては、日本国内における経営に対する人材データ活用の成果や、事業に対しての人材育成事例などを世界に対して発信していきたいです。少子高齢化、デジタル化の進展、サスティナビリティ―への要請の高まりなどの構造変革の中における企業における戦略人事の実践例は各国においても参考になるはずです。各国から注目されるアセスメントを介したビジネスを展開している世界中の仲間たちに「日本は素晴らしい可能性を持っている。今度は逆に日本からもっと学ぼうよ!」といったコメントを言ってもらえるようことをイメージしています。これらの事を念頭に、日々の目の前の仕事に取り組もうと思っています。



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掲載日:2021年10月20日
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